ジャックたちは村を出てラーヴァが寝泊まりしている森へと向かっていた。 「ところでラーヴァ、アンタはどういう目的で旅をしてるんだ?」 「・・・それ「分かった言いたくなきゃ言わなくても良い、お詫びと言っちゃあ何だが笑い話でもするか」 そう言った瞬間ティルディとラーヴァの顔が一緒に青くなった。 (どうしよう笑い話なんかされたら一発でバレる!) (どうしようまたあのときの話なんかされたら一生笑い者だ!) 「前こいつが急に食ってたメシを『ちょっとその話はまた今「まぁまぁ、この話はここからが面白いから、それでこいつがメシ吹き出してよー」 「あはは!もう耐えられない!アハハ私だってさ『ん?』「おっとっと、い、いやぼくも見てみたかったな」 「それよりラーヴァ、話してる間にもうだいぶ森の奥まで来たけれど、いつになったら着くんだ?」 「ここだ・・なんじゃこりゃ!」 「荒らされてる・・・」「何か馬鹿でかい音が聞こえたから村まで走ったが・・・あいつらまさか森まで攻めてきたのか?」 「まて、ラーヴァ、早まるな、もしそいつらならこんなもんじゃ済まされないだろう」 「たしかに、盗まれたと言っても食料だけだしな」 「それにこの足跡も・・「足跡!?」 「何でそれを早く言わないんだ!」 「そうと分かれば・・・行くぞ!」 「言われなくても!」 「おい!待てよ!」 「それにしても直線的な逃げ方だな」 「あ、あれは!?」 「お前か!」 「う、うわぁ!」 ボンッ ドスッ ボタッ  「ハァッ ハァッ やっと追いつけた・・!こ、これは!?」 そこには気絶しているラーヴァの姿が・・・ 「だっだれがこんな事を・・・」 『こ、こいつがやった!』 二人の指が示す先には・・・赤みがかかった茶色の髪、ブラウンの瞳、少し白っぽい肌、紫の服の上に茶色のコート、そしてだぼだぼのズボンの少年が居た 「リヴォル!、一体何があったの? どうしてリヴォルがここにいるの?どうしてこんな事になったの?」 「わ、私は何も知りません!何もしてません!」 「まて、これは十中八九お前のせいだろう、違うか? それにまだ、・・・この説明もしてもらってないからな」 と言いつつジャックはそこらじゅうのパンの袋の中から一つ取り突き出した 「何で盗みなんかした」 「そ、それは、村が襲われて、必死に森まで逃げてきて、そしたら食料も何もなく、そしたらちょうど無人のテントがあってそれで・・・「ちょっと待って」 「何だよティルディ」 「さっきから気になってたんだけど君、もしかしてあの村に住んでいるのか?」 「はい」 「じゃあ一つ聞きたい、ラーヴァは何か音が聞こえて、すぐ村へ駆けつけた、しかし村は壊滅状態だった、 更にこれからも分かるように森から村までは結構時間がかかる、君はどうやってそんなに早く森に来れたんだ?」 「そ、それは風です」 「風?」 「はい、逃げたいって思ったら体がふわっと浮き上がって、それで森に」 「それって魔法なのか?」 「・・・」 「何なんだよ」 「それは二年前のことです、私はいつもいじめられてばかりでばかりでいじめられるたびにこの森へ来てたんです、この日もいつものように森に入ったんです、 そしたらいつの間にか森の奥の方まで来てしまったんです、いつか気がつくと私は霧の中で一本の巨大な木の前に立っていました、そして信じられないでしょうが、その木がしゃべりかけてきたのです、 何をしゃべったかは覚えてないのですが、気がつくと森の入り口に立っていたことはおぼえています」 「それで魔法が使えるようになったと」 「でもそんなことは全然無いんです」 「は?それじゃあ何で急に」 「それは分からないんです・・・」 「まあそれでだいたい分かった、つまり 1お前が森に来る 2ラーヴァが村へ行く 3お前がテントを見つける 4俺たちに見つかって勢いでラーヴァを吹っ飛ばした、とこうなるわけだな」 「そうです・・・」 「とりあえず今の問題はこいつかな」 指を指した先には気絶したラーヴァが・・・ 「私軽い気付け呪文なら使えますが」 「さっすが、じゃあやってみてよ」 「言われなくてもそのつもりでした」 『その昔、神は勇者へ言った眠れる獅子を起こすべし 目を覚ませ!デュインパクト!』 ・・・森にはただ、静寂が流れる・・・ 「駄目だったか・・・」 「とりあえず何処か近くの家に・・・」 「うっ・・・何があったんだ?」 「ラーヴァ!」 「良かった・・・それでこういう事があって・・・」 「なるほど分かった、つまりはこいつがやったと、そう言う事、さて、どうやってお礼させてもらおうか」 珍しくラーヴァの顔に血管が浮かび出ている、やはり食料ほとんどが盗まれたならいくら温厚な人でも怒りたくなるだろう 「一本、二本、あれっ? 三本も浮き出てる」 「バカか、こういう時に止めないでどうする!ティルディ」 「ラーヴァ、ストップ、この子だってしょうがないよ、きっとこの子の親だって村が襲われたときにきっと・・・生きるためには仕方が・・な・・・い・・・・」 ティルディはいつの間にかブリストルの孤児たちを思い出した。 (彼らも生きるためにパンを盗んで・・・なのに・・・) ティルディの目には自然と涙がたまっていた 「分かった、こんな事で怒るなんて僕らしくなかったね、ごめん、さあ戻ろう」 「いや、そう上手くは帰れそうにないな」 ジャックの視線の先には・・・ 「ウグゥゥ」「グォォォ」「ウグァッ」 「何だよこのオオカミたちは!?」 (ほう、良く見つけたな) 「お、お前は!?」 (こいつらを全て倒したら教えてやるとするか) 「一体何体ぐらい居るんだよ!」 (まあだいたい、一人につき五百匹くらいかな?まぁせいぜいあがくこった、ハハハハ) 「グウァッ」 「危ない!」 ラーヴァがとっさにリヴォルをかばった 「ふぅ、間に合った」 そう言うラーヴァの手からは血が流れてた 「何でかばったんですか、私のことを」 「当たり前だろう?仲間だからさ」 「有難うございます・・・」 「礼なんか入らないよ、仲間だろ?」 その頃ブリストルでは・・・ アスタルが鍛冶場の片付けをしていた。 「これでいいかな、外の空気でも吸いに・・・」 アスタルがドアノブに手をかけた瞬間、いきなりドアが吹っ飛んだ 「痛っ何だ?」 「ウグァッ」 「オ、オオカミ?」 マンティコアが外へと逃げていった 「待て!」 アスタルはナイフを何本か持って走り出した そのころ広場ではバレットがパンを食べていた、広場にはあまり人がいないようだ そこにアスタルとマンティコアが入ってきた 幸い誰にも見られてないようだ (あれは昨日の・・・マンティコア!) バレットは走り出した 「ココでやって見られたらまずい、別なところでやるぞ」 バレットたちは昨日マンティコアと闘った場所へ向かった、 そしてアスタルはナイフを持ちバレットは弓を構え戦闘態勢になった まずはバレットが矢を放つ、しかしいとも簡単にかわされる しかしそこにアスタルがナイフで首をねらい、刺す 完全に息が絶えたようだ するとどこからともかく声が聞こえた (そこの弓使いさん、また会うことになるとはね、そこのナイフを持った奴だけねらったんですがね、まあいいでしょう、あなたたちをショーにご案内しましょう、フフフフ) 「追おう!」 そしてその頃森では・・・ 「き、きりがな・・・い・・・」 (どうした、まだまだたくさん残ってるぞ) 「くそ、おらっ」 (遅い遅い、退屈しちゃうよ) 「何かいい方法はないのかよ!」 (なんてつまらないんだもう終りか?) (だったら面白くしてやるぜ) 「も、もう一人来た、これでさえ大変なのに・・・」 (どうした。助っ人を連れてきてやったんだぞ?) 「す、助っ人?」 『こ、これは?』 「左は、あ、孤児たちが町で暴れたときの」 「!お前らか」 「右は?」 「あっ鍛冶屋のあいつ!」 「なんかよくわからんが助太刀だ!」 それで形勢は一気に逆転した バレットがうちアスタルが追い打ちをかける。 ジャックとティルディのコンビネーションもなかなかの物だ ラーヴァの剣裁きもなかなかだが セラフィ、リヴォルの魔法も凄い みるみる内にマンティコアは消えていった。 (ブラボーブラボー、すばらしいショーだったよ、いい物を見せてもらったよ) (お前のじゃまのせいで!) (ショーを面白くしてやっただけだ、それより約束は守ったら?) (しょうがない教えてやろう、我々は闇の帝王に使える闇の使者だ、覚えておけ! 行くぞリョク) (今夜はいい物を見せてもらったよ、ありがとう、おい待て!セキ、それではさらばだ! 「闇の帝王・・・」 「闇の使者・・・」 「一体何者なんだ・・・」 《黙示録を探しなさい》 「司、司祭様!?なぜここに?」 《黙示録は南にある、南の都へ向かえ》 「司祭様?」 《セラフィよ、南へ向かえ》 「司祭様!待ってください司祭様!」 「ま、幻?」 「とにかく、今は南に行くしかないだろ」 「でも都って何処にあるんだろう」 「わたし、聞いたことがあります!」 『え!?』 「いつも司祭様から聞いてたんです、南の都の話を」 「それは何処にあるんだ!」 「ここからまっすぐ南に行くんです」 「だったらすぐに出発だ!」    ・ ・ ・    ・ ・ ・     ・ ・ ・ 「今夜はこの洞穴で泊まろう」 「賛成」 「じゃあまた明日」    ・ ・ ・       ・ ・ ・    ・ ・ ・ 「やっぱり眠れない・・・ちょっとトイレ・・あれ?この壁に書ある文字は何だろう? 所々削り取られてる・・・  ミー・・ ・・・・ ・・南 へ・かう ・ぶ・こ・・合・・・・ろう ボ・ ア・タ その下にあるのは・・・ 地図だ!」    ・ ・ ・ 「みんな!南の都までの地図だ!」 「もの凄く細かく書いてあるこれだったら絶対迷わない!」 「だったらすぐ出発だ!」    ・ ・ ・    ・ ・ ・    ・ ・ ・ 「一体いつになったら着くんだ?」 「それよりも・・・なんか変なニオイがしないか?」 「ああ、たしかに煙っぽいニオイが・・・」 「あ!あれ見て!」 「な、なんだこれ、都が・・・」 「とにもかくにも城に行ってみよう」 「・・・城すらも崩されてる」 (遅いじゃないか、待ちくたびれてしまったよ) 「お前は・・・セキ!」 (リョクだ、さて、ここでお前たちを待っていたのはまた新しいショーが見たくなったからだ、ほら、これを読んでみな) 「これは黙示録・・・でもページが破り取られている」 (そう、ここにあるのは四分の一、残りはそれぞれ西 東 北 の三つの都に隠されてる、まずは西に向かいな、セキのやつにばれないうちにな、 あいつはお前らに恨みを持ってる上に俺がショーを楽しもうとするとすぐに怒るんだ、黙示録が欲しければすぐ、西に行け、都が吹っ飛ぶ前にな、ハハハハ) 「あいつは一体何者なんだ・・・」 「とにかく西の都に急ごう!」    ・ ・ ・      ・ ・ ・    ・ ・ ・ 「ここが西の都か」 「ここにも城があるはず、行ってみよう」    ・ ・ ・ 「もう、歩くの疲れたよ・・・」 「ここか、黙示録は何処だ?」 「それならこの部屋だよ」 「誰だお前は!」 「ただの使用人さ、さあこっちへ」 〈怪しいな、でも黙示録はこの城にあるとしか思えない、さて、どうするか・・・〉 「さあ、どうぞ・・・地獄にね!」 「罠だったか!」 (さあ勝負だ!) 「まずは一発!」 すかっ 「あれ?たしかに当たったはずなのに」 (私にそんな物はきかん!、今度はこっちの番だ!くらえ!) 「うっ」 「ぐわっ くそっなんてやつだ!」 『聖なるほ(遅いわ!) 「うわぁ」 「どうすりゃいいんだよこんな奴!」 「これならどうだ!」 アスタルがナイフを投げる (そんなの効かなっ・・貴様何をした) 「あれ?何で?壁に刺さってるのに・・・ならもう一本!」 (ぐわぁっ) 「お前たちもボーッとしてないで壁に攻撃しろ どうやらあいつの弱点は壁だ」 (ぐうっ や、やめろぉぉぉぉぉぉぉ!) 「き、消えた」 「どうやら倒したみたいだな」 「みんな!城が崩れてきた!逃げよう!」 「黙示録は?!」 「安全確保が優先だ!」    ・ ・ ・ 「はぁっはぁっ・・やっと外に出れた・・・」 (ブラボーブラボー、すばらしかったよ それにしてもよく分かったな) 「あの城は何なんだ?」 (アレはセキさ) 「セキ?」 〈そう、だから壁に攻撃したらお前らと闘った奴が苦しんだろう、アレはセキの映像さ、) 「なるほど、ところで黙示録は?」 (それならここにあるさ) 「黙示録の続きだ!・・・でもまだ欠けてる」 (次は東に行け、そこには「セイ」が居る、頑張ってくれよ、俺を楽しませるために、お前たちが都を出るまで時間を止めとく、早く行け)    ・ ・ ・    ・ ・ ・    ・ ・ ・ 「良かったちょうどこの前の洞穴があるぞ、今回もここで休もう」 「あー疲れた、賛成!」 「それじゃあまた明日」 「明日な」    ・ ・ ・ 「またあそこに行ってみるか・・あれ?なんか変わってるぞ?」 ア・・へ ・・・・・ら行・な・・と・・・め・い・・・だけ・ と・たっ・行っ・・ま・のは分・・ている ・・・止め・い ・って・・ ・・らず・・・帰って・・ ミー・ デ・・・・ そしたら下に・・・ あった地図だ!」    ・ ・ ・    ・ ・ ・    ・ ・ ・  「また地図か、入らないだろう次は東に行くんだから」 「いや、変わってるんだそれにこの手紙も変わってる」 「そんなのあり得ない」 「でも地図は確実に変わってるでしょ」 「・・・」 「・・・」 ひそひそ ザワザワ 『嘘だぁ』 「アホかそんなことよりまずは東に行くのが先だろう、さっさと行くぞ」 「おい、待ってくれよ!」    ・ ・ ・ 「そろそろ着くころだと思うんだけど、・・・はぁはぁ、疲れてきた」 「ほら見えてきた、ここだ」 「入ってみよう、あれ、みんなでなんか、頭下げてるぞ? あの、これは何を・・・「馬鹿者!早く頭を下げんか!そこのお前たちもだ!」 〈何でこんな目に遭ってるんだ?ジャック〉 〈知るか!〉 〈あ、そうか、ジャックは古い伝統とかしきたりが嫌いだもんね、ゴメンゴメン〉    ・ ・ ・ 「はぁ疲れた」 「あー、肩痛てー、ところで今のは何だったんですか?」 「それも知らないのか? もしかしてこの都の者じゃないな、良かったら今夜家に泊まらないか?、色々話してやるよ」 「やった!有難うございます!」 「さて、じゃあ行くとするか!」    ・ ・ ・ その日の夜 「さあたくさん召し上がれ、おかわりもあるわよ」 「やった!クリームシチューだ!」 「デザートにはキウイフルーツを用意してるからね」 「げっ・・・クリームシチューは良いけど・・・キウイフルーツは・・・」 「美味しいです、ありがと・・う・ござ・・・うっう・・」 「どうしたの?」 「すみません、わなし、物心ついた時には既に母がいなくて・・・」 「あぁ、可哀想に・・今日は私をお母さんだと思っていいよ」 「あ、ありがとう・・・お母さん・・・」 そんな賑やかな時間も過ぎ・・・ 「ふぅ、おなかいっぱい」 「ちょっと食べ過ぎたかも」 「それじゃあデザートは後にした方がいいわね」 「よし、この時間を使ってさっき何があったか教えてあげよう」 「有難うございます!」 「ああ、アレは王のセイ様が都に戻ってきたのでお迎えしたんだ」 「じゃあなぜ頭を下げるんですか?」 「そりゃあ王様が通るからさ、王様は偉いから頭を下げるんだ」 〈さっきから話聞いてたら・・・・〉 〈ジャック、落ち着け〉 「おや、もうこんな時間だ、そろそろデザートでも食べないか?」 「じゃあそろそろお腹もすいてることだしそうしようか」 そしてついに・・・ 「じゃあデザートを出しましょうか、どうぞ、おっとまだ食べないでね、この粉を掻けるともっと美味しくなるのよ」 「じゃあ掻けてもらっていいですか?」 「ええ、もちろん」 「うわぁ、美味しそう、頂きまーす」 パクリと一口 「お、美味しい!こんなキウイフルーツ初めて食べた!」 「へぇじゃあ僕も・・・わぁ!美味しい!」 「えぇ、うっそ・・・たしかに!」 ガヤガヤガヤ 〈よし、今の内に〉 「ねぇセラフィ」 「あ、はい」 「お、俺の分のキウイフルーツあげるよ」 「え、いいんですか?」 「うん、逆にもらってくれた方がありがたい」 「それじゃあいただきます、うーん美味しい!ティルディさんも食べればいいのに、そんなに嫌いなんですか?」 「うん!」 ガヤガヤガヤワイワイワイ    ・ ・ ・ 「うっ」  バタッ 「大丈夫かジャ」 バタ 「二人とも・どうし・・たん・・だ」 バタリ どんどん倒れていく 「だ、大丈夫か!」 〈どうしよう あ、そうだ俺だけが倒れてないのがなぜだろう・・・まさかあのキウイフルーツ!、だとしたら俺も倒れた方がいいか〉バタ 「やっと全員眠ったか、・・・こちらB−5、ネズミどもを捕獲した」 「さすがは強力睡眠薬 24時間は眠り続ける 眠りが浅いのは問題だが起こさないように音を立てなければ良いだろう」 〈睡眠薬!?なるほど・・・そう言うことか!〉    ・ ・ ・    ・ ・ ・    ・ ・ ・ 〈耳元で音がする、誰だ、うるさいぞ、うるさい・・・「うるさい!・・・あれ?ここは?」 「牢屋」 「お前は?」 「ティルディ」 「ティルディ!?どういう事だ!」 「詳しい話はみんなを起こしてから、耳元で大きい音をだせば起きるはずだから」 「起きろ!」ガンガンガン 「起きてくれ!」ゴンゴンゴン    ・ ・ ・ 「じゃあ最後にセラフィだね」 「いや、ちょっと待って」 「どうした?ティルディ」 「その前に話がある」 「そう言うのはふつう全員起こしてからだろ?」 「それについても話す、聞いてくれ、俺たちは罠にはまって捕まった、しかしこれで俺の疑惑が裏付けされた、さっき話てもらった事、おぼえてるか?」 「あのどうして頭を下げてたかの話だよね」 「その中で言ってた王の『セイ』何か聞き覚えないか?」 「そういえば西の都でリョクが言ってた気が・・・まさか!」 「そう、そのまさかだ、きっとセイは闇の使者のセイだ、そしてあの夫婦はグルだった、だからキウイフルーツに睡眠薬を掻けた、それを俺は食べなかった」 「だから俺たちを起こせたんだな」 「そして聞いてくれ、俺は過ちを犯した」 「何だ?」 「俺が食べなかったキウイフルーツ、それは・・・」 「それは?」 「セラフィにあげた」 「えっ!?」 「俺もまずセラフィを起こそうとした、でも起きなかった、あの夫婦は、睡眠薬は24時間効くと言っていた、つまりセラフィは48時間・・・眠り続ける」 「ええっ」 「どうしよう・・・」 「連れて行くしかないだろう」 (そうだろうな) 「リョっ、リョク!」 (お前たちの考えどおり王はオレの言ってたセイだ、扉は開けておいた、後は階段を上るだけだ、急げ、早くしないと見張りが来るぞ) 「だったら・・・」 『だったら?』 「行くしかない!」 『オー!』 「行くぞ!セラフィ、行くぞ!みんな!」    ・ ・ ・ 「ここがセイの部屋か、いやに早く着いたな、罠かも・・・」 「どっちにしろ行き止まりだ、行こう」 〈待っててくれセラフィ〉 「セイ!何処だ!」 (ここだ、待ってたんだぞ、早く来い、どうした、来ないのか?) 「うおりゃぁぁぁぁぁ!」 「ティルディ無茶だ!まだどんな敵かも分からないのに!」 「くらえ!」 (止まれ) バッタリ 「おい、ティルディしっかりしろ!」 「貴様何をした!」 (いや、なにも) 「ティルディ、しっかり!」 「・・・」 「あっ目を開けた!」 バンッ 「うっ」 「ティルディ!何してる・・ゴホッ!」 「どうしたんだよティルディ」 「ジャマモノハハイジョスル」 「ティルディ!」 「ワタシヲヨビステニスルナ」 「くそっ何がどうなってるんだよ!」 (クックック おもしろい、ティルディ、奴らを殺せ!) 「コロス、オマエタチヲコロス」 「ティルディ・・・どうしちまったんだよ・・・」 バンッ 『洗脳解けよ!リターン・ブレイン!』 「 あれ?俺は何してたんだ?」 「良かった・・・ティルディ、元に戻った!」 (ふっ しかしもう遅い! もうすぐ都中の人間がここに来る、お前たちは終りだ!) ガチャリ (ほら!もう来た!) 『洗脳解けよ!リターン・ブレイン』 その瞬間城から出た光が都中に広がった 人々の洗脳は解けた 「あれ?俺は何で武器なんか持ってるんだ?」 「おれもだ」 「何があったんだ?」 (な、何だって!? そんなバカな!この、この私が負けるだなんて!うわあ) 『聖なる炎よ!悪を滅ぼせ!セイント・バースト!』 (うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!)    ・ ・ ・ 「セラフィ、ありがとう、それとゴメン!」 「そ、そんな、謝らなくても・・・」 (ブラボー!ブラボー! 良くやったな) 「リョク!」 (黙示録だ、ほら) 「これで残りは・・・」 (あと一つ、最後は北の都だ、騒ぎが大きくなる前に次に行きな、今日は楽しませてもらったよ、最後に入り口まで送ってやる) 「あっ」 (どうした) 「いや、なんでもないです」 (それじゃあ行くぞ、ワープ!)    ・ ・ ・ 「本当に入り口まできたな」 「リョクって敵だか味方だか分からないね」 「さあどっちなんだろうな」 「それでは北の都に・・・出発!」    ・ ・ ・ 〈さよなら、お母さん〉    ・ ・ ・ (行ったか、全く世話の焼ける奴らだ、オレがあの子を起こしてなかったら今頃どうなってたか、まあそれはそれで面白そうだけどな)    ・ ・ ・ リョクは果たして敵か味方か!
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