光と影は同じ  −光があるから影ができる− 光と影は違う  −影があるから光ができる− 光と影は表裏一体・・・ ここはとある神殿の一室 中心には木が一本 それ以外は何もない 『ある時』までは・・・ その頃一人の青年がその部屋に向かって進んでいた 会話が聞こえる 「ヘイ!リンク、大丈夫?」 「ナビィ、そんなに心配しなくてもいいよ、さあ次の部屋に行こう」 そしてドアに手をかける その時全ての『運命』は動き出した そうとは知らず青年は駆けていく それはまさに少年のようだった そして青年は勢いよく次の部屋に向かおうとした、だが 『進めない』 青年は小さく舌を打つと下を向いた そして気づいた 「影がない・・・」 そして瞬時に振り返ると そこに居たのは・・・ 『自分』 さあ来い そう言ってるようだった 相手は『自分』 文字が勝手に流れ込んでくる 青年は剣を抜く (さあ行くぞ) 『自分』も剣を抜く (来い) さあ、戦いの始まりだ 切る よけられる 切る 避けられる 『自分』はまるでこっちの行動をすでに知っていたかのようにいとも簡単にかわして行く 青年は『自分』の一瞬の隙を突いた つもりだった かわされた そして始まる『自分』の反撃 切られる よけられない 切られる 避けきれない それでも青年は 隙を見つけては切る かわされる 切る よけられる 切る 避けられる そして『自分』はその隙をみつけ切り掛かって来る 青年にそれをかわす力はもう残ってなかった そしてそのまま膝をつき、倒れた GAMEOVER そしてまた『自分』の声が頭の中に入ってくる 「まだまだ甘い」 そして青年は気づくと神殿の入り口にいた 「リンク・・・やられちゃったね・・・」 「うん、でもここで諦める訳にはいかない、もう一度行こう!」 しかし、何度やっても結果は同じだった そして月が沈み太陽が昇り 太陽が沈み月が昇る それを何度も繰り返したころ 「リンク、あとちょっと!頑張って!」 「うん!」 青年の腕は格段に上がっていた しかしまだ駄目だった あと少しのところでやられる そしてまた何度も月と太陽が入れ替わった もうどのくらい月日がたったのか 青年はもうボロボロだった 「リンク、1回諦めたら?もうボロボロだよ・・・それでまた バンッ 「リンク・・・」 「ごめん・・・ナビィ、でも今諦めたらもう二度と『自分』に勝てない気がするんだ」 「リンク・・・私こそゴメン、無神経なこと言っちゃって」 「いいよ、さあ、もう一度行こう!」 そして青年は進む これが最後の戦いになるとも知らずに・・・ 剣と剣のぶつかり合う音が聞こえた 戦いが始まった 青年と『自分』は互角、これまではそこまでだった しかし青年は少しずつ『自分』を追い詰めていく そして・・・ 最後の一撃 そして『自分』は消えた 一つの思いを残して 青年の頭の中にまた言葉が浮かんでくる 「よくやった、お前の不屈の心を持ち続ければどんな敵にも負けることは無いだろう」 青年は部屋の中心に歩み寄る 「ありがとう『自分』」 青年の頬に一つのすじが流れる そして滴が落ちた そこには一本の花が今でも咲いていると言う 完 作者後書きへ
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